昔、農業は人間の活動の大部分を占め、その形態は降水量で変わる。すなわち、気候がその土地の政治体制とリンクしている。乾燥地域では大規模な灌漑が必要となり、灌漑工事、備蓄(1つの川が終わると全員終わる)のため、中央集権的な独裁体制が発展する。一方、標準的降雨量地域では、灌漑が不要で農民が自立的なため、民主的な政治体制が形成されやすく、天候の影響が村ごとに変わりるため、商業(経済)が発展した。多湿地域では腐りやすいものが育つため、自給自足が主流で商業や国家形成が進まず、その結果として植民地化が進んだ。

 日本は小さい川が点在していること(中国は大きな川が2つ)と連なる山脈により、小規模な灌漑を基盤とした村社会が発展した。国として絶対的な基準があるわけでなく、村ごとにルールや文化があり、これを感じ取らないと村八分にあう。これが、日本の「同調圧力」や「空気を読む」というものの発源の一つである。