第一章:遅き来訪者

それは1889年の早春のことだった。私が友人シャーロック・ホームズ氏の元を、ある奇妙な依頼で訪れたときのことである。当時、我々はベイカー街のいつもの下宿に落ち着き、ホームズは化学薬品がほのかに薫る奇妙な実験器具を暖炉棚の上に散らしながら、その独特の研究に没頭していた。私はといえば、日々の新聞を読み、つい先日にあった彼の驚くべき洞察を示した事件を自分なりに書き留めて過ごしていた。

あの晩は、冷たい雨が叩く中、午後8時半を少し過ぎたころに、私たちの静寂は不意に破られた。ミセス・ハドスンが夕食の盆を下げてからすでに時は経ち、炉辺の火は心地よくはぜていた。そんな中、扉をノックする遠慮がちな音が聞こえた。私は戸口へ向かい開けると、暗いクロークに身を包み、帽子(ボンネット)を雨でしなだれさせた若い女性が立っている。中背で顔色は青ざめ、その瞳には切実な光が浮かんでいた。挨拶を交わすと、彼女はホームズ氏との面会を求めていると小声で訴えたので、私は即座に彼女を居間に案内した。

ホームズは、半焼けの葉巻の灰を調べていたところだったが、彼女が入室するや否や身を起こし、その灰色がかった鋭い目で、彼女の衣服、裾の泥の付着、微かに震える手指を的確に見て取った。「どうぞお座りください」と彼は柔らかな口調で促した。その声は、普段の冷淡な様子とは裏腹の思いやりを帯びていた。

彼女はアデレイド・フェザービー嬢と名乗り、最近亡くなったインド駐在経験を持つ英国陸軍大佐、アンソニー・フェザービー氏の姪であり、その被後見人でもあった。フェザービー嬢の声は震えがちで、問題の核心を語り始める。警察は自然死と判断した彼女の伯父だが、死に際してある封書を残し、そこには「もしある品物が消失したならば、必ず類稀なる推理力を持つシャーロック・ホームズ氏に相談せよ」と書かれていたという。その「ある品物」とは、ナイチンゲールの装飾が施された小さな木箱だった。ところが、その箱が今は書斎から忽然と姿を消しているというのだ。

ホームズの興味は明らかに深まった。「続けてください」と、彼は顎の下で指を組んだ。フェザービー嬢は最近、奇妙な出来事が相次いだことを明かした。夜更けに窓外をうろつく足音、廊下でくぐもる声、そして庭先の門付近に佇む痩せた背高の男の影。箱を盗んだ者は、おそらく箱の中身を狙い、場合によっては彼女の身に危害を加えるかもしれないと怯えていた。

ホームズは数々の質問を浴びせた。大佐の交友関係や生活習慣、敵対者の有無、死に至る状況など、彼女が答え得る限りを尋ねた。フェザービー嬢も懸命に答えるが、不完全な知識で、あまり多くを明かせたわけではない。やがてホームズは満足そうに頷くと、「ご安心を、ミス・フェザービー。明朝、私とワトスン博士があなたの伯父上の家へ伺います。その際、書斎や残されている遺品を拝見したい」と告げた。

安堵と感謝の色が彼女の表情に浮かぶ。そして彼女が去った後、ホームズは窓辺に佇み、静かに微笑んだ。「さてワトスン、君はどう思う?」と私に問う。私は正直、当惑したままだった。この奇妙な話からはまだ断片的な情報しか得られない。ホームズは期待していたかのように頷き、「とても興味深い事件だよ」と小さく笑う。「謎の品物、死者が抱えた秘密、消えた箱に施された鳥の装飾。明日になれば、何らかの糸口が見えてくるだろう」と言った。

私にはそれ以上言えることもなく、ホームズに同意するしかなかった。その時はまだ、彼の驚異的な頭脳を試す複雑な謎が、これから幕を開けようとしているとは知る由もなかった。

第二章:大佐の書斎

翌朝早く、我々はハンサム・キャブ(2輪馬車)に乗って湿り気を帯びたロンドンの街を抜け、ハムステッド外れにあるフェザービー大佐の邸宅へと向かった。雨は止み、ぬかるんだ路面を照らす朝の光は鈍く、空気は肌を刺すように冷たかった。

フェザービー嬢は玄関で待ち受けており、やつれた表情ながらも毅然としていた。彼女はためらうことなく細い廊下へ案内する。廊下には厳格な顔つきの先祖たちの肖像画が並び、その奥には頑丈なオーク材の扉があった。

その先が大佐の書斎である。中へ入ると、雑然としてはいるが落ち着いた空間が広がっていた。重いカーテン越しに微かな光が差し込み、革張りの書物が棚を埋め尽くす。壁にはインドの地図が掛かり、机上には真鍮製の六分儀や虎の爪を飾った小さな台座、薔薇を象った銀のインク壺など、奇妙な品々が並んでいた。ホームズは視線を走らせ、その一つ一つを探るように見回す。

「ここです」とフェザービー嬢が指し示したのは、漆塗りのビューロー(書き物机)の上、もともとナイチンゲールの箱が置かれていた場所だ。「生前、伯父は箱を鍵付きの引き出しに大切に仕舞っていましたが、亡くなった後、私が取り出して拝見していたのです。ホームズさんにお見せしようと思っていた矢先、一昨日の夜、箱は忽然と消えました。」

ホームズはビューローの錠前を調べ、引き出しを点検し、鍵についての質問をした。そして使用人の出入りや奇妙な訪問者がいなかったかを尋ねるが、フェザービー嬢には心当たりがないという。箱が消えた際、扉が施錠されていたことを確認すると、ホームズは床へしゃがみ込み、絨毯の繊維や巾木(はばき)に沿って指先を走らせた。

やがて立ち上がると、主人に向き直る。「フェザービー嬢、伯父上の私的な書類をお持ちいただけますか? 手紙や日記、残されたものがあれば、何か手がかりになるやもしれません。」

彼女は承諾し、私たちを残して部屋を出て行った。その途端、ホームズの観察は一層鋭くなる。窓枠を点検し、拡大鏡で窓辺や本棚付近の壁紙を丹念に調べ、さらには空気を軽く嗅ぐような仕草さえ見せた。

私は小声で尋ねた。「何か見つけたのかね、ホームズ?」

彼は背筋を伸ばし、薄く笑う。「小さな手がかりを掴んだよ、ワトスン。この窓枠の微妙な窪みを見給え。誰かがここから出入りしたようだ。そして薄灰色の灰が残っている。これはインド産のチェルート煙草(葉巻)の灰だと思われる。忍び込んだ人物は、相当慣れた手口の男だろうね。」

私がさらに問いただそうとした矢先、フェザービー嬢が戻ってきた。赤いリボンで束ねられた手紙の包みと細身の日記帳を抱えている。それは大佐の私的書簡と退役後につけていた日誌だという。ホームズはそれを受け取り、目を輝かせた。

我々は応接室に移り、ホームズは書類を丁寧に読み始める。その間、私は求められるままに手紙の数行を声に出して読んだりした。彼は時折ページの一部を指で叩き、小声で独り言を言いながら、最終的に日記を閉じて顔を上げた。

「フェザービー嬢」と彼は穏やかな口調で言う。「あなたの伯父上は秘密を抱えておられた。ここには『ボンベイのハリス&サン』という名が記され、『真夜中に鳴く鳥』という隠喩的な記述がある。また、不名誉な形で連隊を追われたJ・コルヴィル大尉の名も散見される。これらから察するに、この箱とその中身は、過去に起きた不正行為に繋がる鍵なのだろう。」

彼女は目を大きく見開き、怯えた表情を浮かべた。「一体どういうことでしょうか、ホームズさん?」

ホームズは彼女の手に優しく触れた。「つまり、我々は迅速かつ慎重に行動せねばなりません。この書類をお預かりし、さらに調査を進めたいと思います。何か怪しい動きがあれば、すぐにベイカー街へ連絡を。」

彼女は承知し、私たちは邸宅を後にした。外の冷たい朝の空気に触れながら、ホームズは静かな決意を込めて言う。「ワトスン、これは昔の時代と遠い地を繋ぐ陰謀だ。我々が追うナイチンゲールの箱は、単なる装飾品ではない。死者でさえ止められぬ秘密がそこには潜んでいる。」

私には明確なことは分からなかったが、彼の推理力を信じる他ない。こうして深い謎に挑む一歩が踏み出されたのだ。

第三章:灰に隠された手掛かり

ベイカー街に戻るなり、ホームズはテーブルいっぱいに手紙と日記を広げ、なく読み返した。隠れた暗号や合図を探るかのようだった。彼がペンを走らせる微かな音だけが、張りつめた静寂を破っている。私はお茶を入れ、ホームズが求めるままにいくつかの手紙を朗読して過ごした。

やがてホームズが顔を上げる。「ワトスン、我々はJ・コルヴィル大尉を探し出さねばならぬ。大佐の文面には彼の名が何度も登場する。特に北西辺境のダリヤバール砦で起きた事件についての記述が多い。コルヴィルの不名誉は、ある地方名士から盗まれた宝石に関わるらしい。それがあのナイチンゲールの箱と結びつく可能性がある。」

私は頷いた。「もしそうなら、箱の消失はかつての共犯者たちが再び暗躍しているのだろうか。コルヴィル本人が関与しているかもしれない。」

「その通り。しかしまずは詳細を確かめねば。」ホームズはパイプに火をつけ、宙を見つめる。「大佐の記録には『ハリス&サン』という、ボンベイに由来する名前が書かれていた。宝石商か、あるいは運搬を請け負う会社だろう。大佐は密かに『フェザーマーク・ダイヤモンド』という宝石についても言及している。かつて植民地の財宝が盗まれた事件を扱ったことがあったが、今回も似た話かもしれん。」

ホームズはロンドン商業名鑑を取り出し、指で追いながらページを繰った。そして満足げに唸る。「ハリス&サンは以前ボンベイで営んでいた宝石商で、今はチープサイド近くで細々と店を構えている。訪ねてみる価値があるな。」

しかしその前に、電報が届いた。フェザービー嬢からで、「すぐ来てください。庭に見知らぬ男。とても怖い。A.F.」と震えた筆跡で書かれている。

ホームズは即座に上着を手に取る。「行くぞ、ワトスン。状況が動いている。」

第四章:ハムステッドの影

屋敷に戻ると、フェザービー嬢は酷く怯えていた。応接間の雨戸は閉ざされ、彼女はそこで震えていた。庭の古木のそばに不審な男影があり、彼女が召使いを呼ぶと、その男は姿を消したという。男は黒いスーツに痩身、顎元を覆う細いスカーフを着用していたらしい。地元の巡査を呼んだが、すでに男は立ち去った後だった。

ホームズは庭を調べ、窓下の湿った土に一つの足跡を発見した。長く細い靴跡で、独特の模様がついている。ホームズは険しい表情で言う。「書斎に忍んだのと同じ男だろう。奴は我々の動向を見張っている。」

フェザービー嬢は震える。ホームズは彼女を安心させ、「ワトスンをこちらに残して当面の用心とし、私はチープサイドへ急ぎます」と告げた。「ワトスン、君はここに留まって彼女を守ってくれ。万一男が戻ったら、迂闊な行動をとらず、すぐ声を上げて召使いや近隣を呼ぶのだ。奴は危険な男かもしれん。」

そうしてホームズは単身出かけ、私は屋敷内を巡回し、警戒を怠らなかった。しかし幸いその午後、特に不審なことは起こらなかった。夕刻、ホームズが戻ってきたとき、その目には手応えを得た者の光が宿っていた。

「ハリス&サンで聞いてきた。20年ほど前、インドの王族が所有する希少な宝石が英国将校によって盗まれた事件があったそうだ。フェザービー大佐はおそらくその宝石を後に取り戻したらしい。そしてそれを、このナイチンゲールの箱に隠していた可能性が高い。コルヴィル大尉が関わった不名誉な盗難事件だ。やつらは今、その宝石を再び手に入れようとしている。」

私は低く口笛を吹いた。「ならば、あの箱はただの飾りものではない。その中には莫大な価値が眠っているかもしれないのか。」

ホームズは頷く。「フェザービー嬢、最近、首にスカーフを巻きインド産のチェルートを嗜む男が訪ねてきたりしませんでしたか?」彼女は思い出して頷き、以前、伯父の旧知を名乗り質問してきた男がおり、その際に受け取った名刺があると取り出した。

ホームズは名刺を検分する。そこには「ジョン・コルヴィル」とある。ホームズは薄く笑みを浮かべた。「奴は大して身元を隠しもしないらしいな。ワトスン、いよいよ奴と対峙する時だ。」

第五章:霧中の対峙

ホームズは大胆な作戦を立てた。「ある弁護士」を装い、大佐の遺産に絡む貴重品の譲渡に興味があるとする手紙をコルヴィルに送り、深夜、人通りの少ない川辺の一角で会おうと誘い出した。宝石を取り戻す好機と踏んだコルヴィルは、誘いに応じるだろうと読んだのだ。

その夜、霧が立ちこめ、月明かりのない闇の中、私たちは指定の場所に立っていた。ホームズは街灯下に静かに立ち、私は少し離れた暗がりで待機する。半時ほどすると、長身で痩せた影が闇から浮かび上がるように現れ、ホームズに声を掛けた。

ホームズははっきりと告げる。「コルヴィル氏、あなたは自分に属さぬものを狙っているようだ。フェザービー大佐がフェザーマーク・ダイヤモンドを取り戻していた事実を知っているな? だが、その箱を手に入れたとして、宝石は手に入ったのかね?」

コルヴィルはマッチを擦り、チェルートに火を点け、その顔を露わにする。鋭い面差しで、「あんたは何者だ?」と低く問う。

「あなたにとっては、その宝石が全てだろう。だが、私には分かっている。あなたは箱を得られず苛立っている。伯父の死後、姪から容易く手に入ると思った獲物は、私の介入で取り逃したのだ」とホームズは言う。「今ならまだ間に合う。盗品を返し、直ちに英国を去れば、私も追及を控えるかもしれない。」

コルヴィルは低く唸り、ホームズに掴みかかろうとする。しかしその瞬間、私は影から進み出て銃口を向け、また別方向からスコットランド・ヤードの警官が姿を現した。追いつめられたコルヴィルは、虚勢が崩れる。

「何も知らん!」と彼は吐き捨てるが、ホームズと銃、そして警官を前に逃げ場はない。彼は白状した。大佐の書斎を二度探ったが宝石は見当たらず、姪を脅してでもありかを吐かせようとしたこと、そしてホームズを監視して動向を窺っていたこと。しかし、箱自体は既に消えており、手に入れた覚えはないという。「俺が来たときにはもうなかったんだ」と。

ホームズは頷く。「そうか、ではもう一人、手癖の悪い者がいたことになるな。」

第六章:第二の盗人

ベイカー街に戻り、コルヴィルの告白が我々の頭上に重くのしかかる。もし彼が箱を盗んでいないのなら、犯人は誰なのか。そしてどうやって鍵のかかった部屋から持ち去ったのか。

ホームズはフェザービー嬢を呼び出し、一つの仮説を提示した。大佐の従僕、デイヴィという男がいたが、大佐の死後、急に屋敷を辞していなかったか、というのである。「ワトスン、往々にして被害者に最も近い者こそ、その秘密をよく知っているものだ」とホームズは言う。

フェザービー嬢は思い出し、デイヴィが突然家を出たことを話した。彼女は古い住所をホームズに教え、ホームズはレストレード警部に密かに彼を探るよう依頼した。

その日、ホームズは再び大佐の日記を精査し、奇妙な一文に注目する。「鳥は月の夜にのみ歌う」。今宵は満月だった。もしかすると箱の中には仕掛けがあり、満月の光を合図に何らかの秘密が明かされるのかもしれない。

その日の夕方、レストレードから返事が来た。デイヴィはソーホーの質屋で、ナイチンゲールの箱を売ろうとしているところを確保されたという。私たちはスコットランド・ヤードへ急ぎ、レストレードが見せてくれたのは正にあの木箱。巧妙な象嵌で飾られた小箱で間違いなかった。しかし蓋をけても、中は偽底があるだけで空っぽだった。

ホームズはランプの下で箱を調べ、ナイチンゲールの嘴を指で押すと、小さな隠し板が音もなく滑った。そこには小さな空洞があり、おそらくはそこに宝石が収まっていたはずだった。だが今は空だ。

尋問により、デイヴィは大佐が深夜に独り言を言うのを立ち聞きし、宝石の存在を知ったという。しかし箱を盗んでみると宝石はなく、箱だけでは大した金にならないため、質屋に売ろうとしたと白状した。

宝石は一体どこへ消えたのか?

宝石は一体どこへ消えたのか?

第七章:大佐の名誉は守られる

ベイカー街へ戻り、ホームズは空の箱をフェザービー嬢へ返した。彼女は落胆する。伯父の秘密は何も明らかにならず、宝石は幻のように消え失せたままだ。

しかし、ホームズは敗北したわけではなかった。「ミス・フェザービー、あなたの伯父上は、ある不正を正そうとしていたようです。私は彼が生前、あの宝石を元の持ち主にひそかに返却し、良心の呵責から解放されていたのだと考えます。箱はあくまで記念の品、あるいは囮として残したに過ぎなかったのでしょう。『箱が消えたらホームズ氏に頼れ』という遺言は、古い罪を暴こうとする輩が現れたとき、私があなたを救い、大佐の名誉を守るための策だったのでしょう。」

フェザービー嬢は目に涙を溜める。「つまり、宝石は元からここになかったのですか?」

ホームズは穏やかに微笑む。「その通りです。伯父上は既に正義を貫き、宝石を返却済みだったのでしょう。日記の隅に挟まれていた手紙をご覧なさい。あなたへの最期の言づてです。あの宝石に頼ることなく、正当な投資と蓄えによって、あなたが清らかな生活を送れるよう願っておられたのです。これで過去の闇に怯える必要はありません。」

こうしてコルヴィルは逮捕され、デイヴィの悪事も露見し、フェザービー嬢の身にはもはや危険はない。大佐の名誉は汚されることなく、彼が生前に成し得た償いは静かに成就されていたのだ。

帰りの馬車で、私はホームズに感嘆した。「古い陰謀と罪が呼び起こされる中、君は謎を解き、若い女性を救った。さすがだ、ホームズ。」

ホームズは肩を軽くすくめる。「我々は、与えられたゲームに挑むまでのことだよ、ワトスン。」

かくして、ナイチンゲールの秘め事は解かれ、その残響はランプの灯が消え、街が静寂を取り戻す頃には、過ぎ去りし過去の囁きとなって闇に溶けていった。記すべきは、真実と正義が、鋭利な頭脳と誠実な心によって、必ずや光を与えるということだ。

これにて、シャーロック・ホームズ氏が活躍するもう一つの特異な事件の記録を終える。